ヒグマ

更新日:2023年07月25日

ヒグマの生態

 ヒグマは、日本の陸地に生息する最大のほ乳類です。成獣の体長は1.4~2.0メートル、体高は0.7~1.2メートル、体重は80~400キログラムあります。

 これほどの巨体をもちながら運動能力は高く、走る速さは100メートルを6秒台で走る速度に相当し、木登りも得意で、海や川を泳いで渡ることもあります。

 雑食性で、人間の食べるものは何でも食べます。

 ヒグマの繁殖期は6月から7月で、メスは冬眠中に出産します。子熊は1歳半から2歳半まで母熊とともに行動し、それ以降は親離れします。寿命は20年から30年と考えられています。

東藻琴生涯学習センター郷土資料室で展示している熊の剥製について説明をしているイラスト
ヒグマの食べるものについて説明をしている4コマイラスト

大空町でのヒグマの出没状況

 大空町では、例年30件程度のヒグマの出没(足跡、フン、農作物被害だけの場合を含む)があり、そのうち10件程度は実際にヒグマの姿が目撃されています。毎年数頭がワナや猟銃により駆除されています。ヒグマに農作物を食い荒らされる被害は毎年多数発生しています。それ以外にもヒグマの出没に警戒して農作業が遅れる被害もあり、農家にとってヒグマの出没に伴う農業被害は深刻です。具体的な出没状況については、「熊出没情報」のページをご覧ください。

 これまで、大空町(旧女満別町・旧東藻琴村を含む)ではヒグマによる死亡事故は1件も発生していません。ヒグマによる負傷事故も近年は発生していませんが、数十年前には数件発生しています。このうち1件の事故の詳細について、東藻琴在住の向井弘さんが取材した内容を令和4年1月20日に開催した郷土学講座で講演いただいています。非常に読み応えのある内容ですので、興味のある方は添付の資料をご覧ください。

熊を射殺せざるを得ない理由について説明をしている4コマイラスト
熊に麻酔銃を使うことの難しさについて説明している4コマイラスト
熊を山へ逃がすことの難しさについて説明している4コマイラスト
熊を飼育することの難しさについて説明している4コマイラスト

ヒグマ対策

 本来、ヒグマは臆病な動物で、人が近くにいることに気づいた場合、自分から人を避けます。しかし、次のような場合には人を襲うことがあります。

  • 不意に人と遭遇してしまった場合、身を守るために襲ってくることがあります。
  • 子熊を連れている場合、子熊を守るために襲ってくることがあります。
  • 人が持つ食べ物の味を覚えた場合、食べ物を手に入れるために襲ってくることがあります。
  • 人を食べ物だと認識してしまった場合、捕食のために襲ってくることがあります。ただし、このような例は日本ではごくまれです。

 人とヒグマの遭遇を減らすことは、人にとってはヒグマに襲われる危険性を減らし、ヒグマにとっては人に駆除されて命を落とす危険性を減らします。つまり、人とヒグマのどちらにとっても、互いに遭遇しないことが望ましいのです。 このため、ヒグマと遭遇しないよう、以下のような対策をとりましょう。

  • 山に入る際は、鈴などを鳴らしてヒグマにこちらの存在を知らせましょう。そうすれば、通常はヒグマの側から人を避けます。ただし、最近は人に慣れて人の存在に鈍感になったヒグマもいるので、注意が必要です。
  • ヒグマの足跡やフンを発見した場合は、すぐにその場から離れましょう。
  • 子熊を見つけても、絶対に近づかないでください。近くに母熊がいる場合が多く、母熊は子熊を守るために攻撃的になっています。
  • ヒグマに食べ物を与えないでください。エサを与えてはいけないのは言うまでもありませんが、残飯を山に残さない、ヒグマに奪われやすい場所に食べ物を置かない、畑の周囲に電気柵などを設置する、などの対策を取りましょう。
熊と関わらないようにお願いをしている4コマイラスト

もしヒグマに出会ってしまったら

 もしヒグマに出会ってしまった場合は、ヒグマの様子を確認しながら、静かに少しずつ後ずさりしましょう。

 熊撃退スプレーを持っている場合は、噴射するとヒグマを一定時間無力化できるので、安全に逃げることができます。ただし、熊撃退スプレーは至近距離で噴射しないと効果が望めないので、あくまで最後の手段として用いましょう。

 以下の行動は絶対に禁物です。

  • 走って逃げないでください。ヒグマは逃げるものを追う性質があります。
  • 木に登って逃げないでください。ヒグマは木登りが得意なので、逆に危険です。
  • エサを与えて逃げないでください。人を襲えばエサが手に入るとヒグマが学習してしまい、危険です。
  • 大声を出したり、ヒグマを威嚇しないでください。ヒグマが身の危険を感じて襲ってきます。
  • 写真を撮らないでください。フラッシュやシャッター音に驚いたヒグマが襲ってきます。
  • ヒグマに奪われたものを取り返そうとしないでください。ヒグマは執着心が強いので、取り返すと再び奪い返そうと襲ってきます。奪われたものは、もうヒグマのものだと思って、あきらめましょう。
  • 死んだふりをすることは、こちらが危害を加えないことをヒグマに示すことができるので、身を守ろうとしているヒグマには有効です。しかし、人を食べようとしているヒグマには無意味です。
熊に出会ってしまった場合の対処法について説明をしている4コマイラスト

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