○古梅ダム管理条例施行規則
平成18年3月31日
規則第102号
(趣旨)
第1条 この規則は、古梅ダム管理条例(平成18年大空町条例第150号。以下「条例」という。)の施行に関し、別に定めのあるものを除くほか、古梅ダム(以下「ダム」という。)及び古梅ダム貯水池(以下「貯水池」という。)の管理に関し必要な事項を定めるものとする。
(管理者の業務)
第2条 町長は、ダム管理責任者(以下「管理者」という。)を置き、この規則に定めるところにより、ダムを管理させるものとする。
2 管理者は、河川法(昭和39年法律第167号)第50条に規定する資格を有する者でなければならない。
(異例の措置)
第3条 管理者は、この規則に定めのない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要する場合は、この限りでない。
2 前項のただし書の規定により処理を行ったときは、速やかに町長に報告し、その後の措置について指示を受けなければならない。
(ダム及び貯水池の諸元等)
第4条 ダム及び貯水池の諸元その他これに類するダム及び貯水池の管理上参考となるべき事項は次のとおりとする。
(1) ダム
ア 最大堤高 48.00m
イ 堤頂の標高 214.20m
ウ 越流頂の標高 210.50m
エ 越流堤長 50.00m
オ 設計洪水流量 毎秒200立方メートル
カ 非常放流管ゲート設備
(ア) 非常放流ゲートの規模及び数
非常放流主ゲート 内径0.60mのもの1門
非常放流副ゲート 高さ0.60m、幅0.60mのもの1門
キ 取水管ゲート設備
(ア) 取水ゲートの規模及び数
取水主ゲート 内径0.80mのもの1門
取水微調整ゲート 内径0.30mのもの1門
取水副ゲート 高さ0.80m、幅0.80mのもの1門
取水呑口ゲート(直立型フローティングシリンダーゲート) フロート径4.50mのもの1門
取水呑口ゲート(取水塔取水管底部呑口ゲート) 高さ1.00m、幅1.00mのもの1門
(イ) かんがい用ゲートの規模及び数
かんがい用利水主ゲート 高さ1.35m、幅1.35mのもの1門
かんがい用利水微調整ゲート 内径0.25mのもの1門
(ウ) 放流設備の規模及び数
減勢水槽排水ゲート 高さ0.80m、幅0.80mのもの1門
取水管放流微調整ゲート 内径0.25mのもの1門
減勢水槽余水吐 越流堰長5.50m
(2) 貯水池
ア 集水地域の面積 15.0km2
イ 湛水区域の面積 0.29km2
ウ 最大背水距離 1.5km
エ 設計洪水位 標高212.00m(貯水池の水位(以下「貯水位」という。)の表示212.00m)
オ 常時満水位 標高210.50m(貯水位の表示210.50m)
カ 最低水位 標高187.00m(貯水位の表示187.00m)
キ 有効貯水位容量 3,230,000立方メートル
(3) 最大取水量等
ア かんがい用最大取水量 毎秒1.482立方メートル
イ 貯留制限流量(責任放流量) 毎秒0.100立方メートル
(貯水位の基準)
第5条 貯水池の水位は、取水設備である取水塔に取り付けられた量水標の読みに基づいて算定するものとする。
(貯水)
第6条 管理者は、かんがい用水等を確保するため、原則として毎年5月3日までにダムの貯水を完了させるものとする。
(貯留期間及びかんがい期間)
第7条 貯留期間は、通年とする。
2 かんがい期間は、5月4日から翌年5月3日までとし、次の表のとおりとする。
湿潤かんがい用水 | 5月4日から9月15日まで |
霜害防止用水 | 9月16日から10月10日まで |
肥培かんがい用水 | 通年 |
発芽育成用水 | 3月21日から5月3日まで |
営農用水 | 10月11日から翌年5月3日まで |
(かんがい用水の取水)
第8条 管理者は、かんがい期間において、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地に必要な次条に掲げる範囲内の水量を取水しなければならない。
2 管理者は、かんがい期間において異常渇水等により必要な水量を取水することが困難な場合には、町長に報告し、指示を受けて適切な措置をとらなければならない。
3月21日から5月3日まで | 毎秒0.045立方メートル |
5月4日から7月27日まで | 毎秒1.482立方メートル |
7月28日から9月15日まで | 毎秒0.593立方メートル |
9月16日から10月10日まで | 毎秒0.629立方メートル |
10月11日から3月20日まで | 毎秒0.045立方メートル |
(責任放流量)
第10条 ダムからの責任放流量は、4月1日から翌年3月31日までにあっては、毎秒0.1立方メートルとする。
(放流量)
第11条 ダムからの放流を行う場合の放流量は貯水池への流入量の最大が毎秒24立方メートルを超える出水を除き、毎秒24立方メートルを超えてはならない。
(放流の通知)
第12条 管理者は、ダムから放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため、別表第1に掲げる関係機関に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。
(放流制限)
第13条 貯水池の水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流(非常放流管ゲート設備及び取水管ゲート設備からの放流を除く。)をすることができる。
(1) 貯水位が常時満水位を超えるとき。
(2) 条例第3条の規定により点検整備を行う必要があるとき。
(3) その他特にやむを得ない理由により管理者が必要であると認めたとき。
(非常放流管ゲート設備の操作)
第14条 非常放流管ゲート設備は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、ゲートの開閉操作(以下「ゲート操作」という。)をすることができる。
(1) 条例第3条の規定により点検整備を行う必要があるとき。
(2) その他特にやむを得ない理由により管理者が必要であると認めたとき。
(取水管ゲート設備の操作)
第15条 取水管ゲート設備は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、ゲート操作をすることができる。
(1) かんがい用水等を貯留する必要があるとき。
(2) かんがい期間において取水及び利水する必要があるとき。
(3) 第10条の規定による責任放流量を確保するとき。
(4) 季節による貯水位管理が必要なとき。
(点検及び整備)
第16条 管理者は、ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に及び時宜によりその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。
(ダム及び貯水池並びにその周辺の監視)
第17条 管理者は、ダム及び貯水池並びにその周辺(以下「ダム周辺」という。)について常に監視を行い、その維持及び保全に支障を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。特に暴風雨又は洪水、地震その他これに類する異常な現象でその影響がダム周辺に及ぶおそれのあるものが発生したときは、速やかに、点検(貯水池付近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水位との関係の検討を含む。)を行い、異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(洪水及び洪水時)
第18条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量の最大が毎秒24立方メートルを超える出水であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生しているときをいう。
(洪水警戒時)
第19条 この規則において「洪水警戒時」とは、気象官署から網走地方を対象として大雨に関する警報が発せられ、その他洪水が発生するおそれがある時から、警報が解除又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれがないと認められるまでの間で、洪水時を除く間をいう。
(1) 洪水時において、ダム周辺を適切に管理することができる要員を確保すること。
(3) 気象官署が行う気象観測の成果を的確かつ迅速に収集すること。
(4) ダムの管理に関係する記録を作成すること。
(5) その他ダム及び貯水池の管理上必要な措置
(干ばつ時における措置)
第22条 管理者は、条例第4条第1号の規定によりダムの貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報を勘案して干ばつのおそれがあると認めたときは、町長及びダム利水者の意見を聴いて、取水に関する節水計画を立て、これにより取水を行い、著しいかんがい用水不足が生じないよう努めなければならない。
4 管理者は、前2項の規定による観測又は測定及び調査の結果を記録しておかなければならない。
(管理日誌)
第24条 管理者は、ダム管理日誌を備え、次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 前条の規定による観測又は測定及び調査の結果
(2) ダムの状況及び点検整備に関する事項
(3) ゲート操作又は放流操作を行ったときは、操作の理由、操作の時刻、開度及び別表第3に掲げる事項のうち水象に関するもの
(4) 洪水吐から越流している場合においては、毎時の貯水位及び越流量、越流期間中に最大越流量が生じた時刻、貯水位及び越流量
(5) 放流に係る最大ダム放流量が生じた時刻及び河川放流量
(6) 緊急時における措置に関する事項
(7) その他ダムの管理に関する事項
2 管理者は、毎月、速やかに、前月分の管理日誌を取りまとめ、町長にその内容を報告しなければならない。
附則
(施行期日)
1 この規則は、平成18年3月31日から施行する。
附則(平成22年6月22日規則第21号)
この規則は、平成22年7月1日から施行する。
別表第1(第12条、第20条、第21条関係)
通知の相手方 | 通知又は通報の方法(通報施設) | 摘要 | ||
名称 | 担当機関の名称 | |||
(1) | 北海道知事 | オホーツク総合振興局網走建設管理部用地管理室管理課 | 加入電話 |
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大空町長 | 産業課 | |||
美幌町長 | 耕地林務グループ | |||
北海道北見方面美幌警察署長 | 地域課 | |||
北海道北見方面美幌警察署長 | 福住駐在所 | |||
(2) | 北海道開発局長 | 網走開発建設部公物管理課 | 加入電話 |
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別表第2(第20条関係)
警報施設の名称 | 警報施設の位置 | 構造及び能力 | 摘要 |
古梅ダム放流警報所(第1号サイレン) | 美幌町字古梅586番地2(古梅ダム管理棟屋上、石切川左岸) | 有線サイレン(3.7kW) |
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石切放流警報所(第2号サイレン) | 美幌町字古梅552番地13(石切川右岸) | 無線(411.25MHz、1波)サイレン(2.2kW) | 無線の本局位置は古梅ダム管理棟 |
下石切放流警報所(第3号サイレン) | 美幌町字古梅321番地11(石切川左岸) | 無線(411.25MHz、1波)サイレン(2.2kW) | 無線の本局位置は古梅ダム管理棟 |
古梅ダム警報車 | 古梅ダム管理所常備 | 水防用自動車 サイレン及び拡声器 |
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別表第3(第20条、第23条、第24条関係)
観測又は測定項目 | 観測又は測定の回数(最低観測回数) | 観測施設 | 摘要 | ||||
位置及び名称 | 構造及び観測方法 | ||||||
水象 | |||||||
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| 貯水位 | 毎日1回 | 古梅ダム貯水池 貯水位観測施設 | 水晶式水位計 自記計測 |
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流入量 | 古梅ダム 取水放流施設 | 貯水位と流出量より算出 |
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取水量 | 超音波電磁流量計 自記計測 |
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かんがい用水量 | ゲート開度より算出 |
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河川放流量(下段3項目流量の合計量) | |||||||
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| 非常放流量 | 毎日1回 | 古梅ダム 非常放流施設 | 貯水位とゲート開度より算出 |
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取水管放流量 | 古梅ダム 取水放流施設 | 取水量とかんがい用水量の差引きより算出 |
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洪水吐越流量 | 越流水深より算出 |
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気象 | |||||||
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| 天候 | 毎日1回 | 古梅ダム | 目視 |
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降水量 | 古梅ダム管理棟屋上 気象観測施設 | 転倒ます式雨量計 自記計測 |
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気温 | 気温計 自記計測 |
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堤体及び周辺の観測 | |||||||
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| 堤体変形 | 毎年四半期1回 | 古梅ダム堤体 堤体表面変位観測施設 | 4側線18標的 水平垂直観測測量 |
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漏水位 | 毎日1回 | 古梅ダム堤体下流 漏水量観測施設 | 90度三角堰、水位計 自記計測(1施設) | 換算漏水量は放流量、貯水位及び漏水位による合理式より算出 | |||
地下水位 | 古梅ダム堤体周辺 地下水位観測施設 | 地下水位観測孔、水位計 自記計測 |
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堆砂量 | 毎年1回 | 古梅ダム貯水池 堆砂量観測施設 | 10側線 横断測量 |
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別表第4(第21条関係)
ダム諸元
ダム名 古梅ダム
流域面積 | 15.0km2 | 貯水池面積 | 0.29km2 |
総貯水量 | 3,500千m3 | 有効貯水量 | 3,230千m3 |
ダム天端標高 | 214.20m | 最大堤高 | 48.00m |
設計洪水位 | 212.00m | 常時満水位 | 210.50m |
設計洪水流量 | 200m3/s |
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水文記録等
年 月 日 時
発信者
受信者
項目 | 最大時間雨量 | 最大貯水位 | 最大流入量 | 最大越流量 | 最大河川放流量 | 累計雨量 | 特記事項 |
時刻 | 日 時 | 日 時 | 日 時 | 日 時 | 日 時 | 日 時 ~ 日 時 |
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数値 | mm/h | m | m3/sec | m3/sec | m3/sec | mm |
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別表第5(第21条関係)
年 月 日の災害に際しての石切川古梅ダムの操作について
1 概要
2 ダム操作の状況について
(1) ゲートの操作記録について
(2) ダムの管理施設等と記録の信頼度について
(3) ダムの操作状況について
3 ダム操作と水文状況について
(1) ダムの上・下流における降雨状況について
(2) ダムの上・下流における出水状況について
(3) ダムの操作と水文状況について
4 水文資料の検討に基づくダム操作の適否について
(1) 水文資料によるダムの上・下流の流出量の検討について
(2) ダム操作の適否について
5 その他の検討事項
通報、通知の確認について
添付資料
(1) ゲートの操作記録
(2) 古梅ダム管理規程
(3) その他