○大空町再生可能エネルギー発電施設の設置に関する条例

令和7年3月12日

条例第7号

(目的)

第1条 この条例は、再生可能エネルギー発電施設の適正な設置及び管理について必要な事項を定めることにより、再生可能エネルギー発電施設が地域との調和を図り、もって町民の安全で安心な生活環境の確保並びに良好な自然環境に配慮した豊かな地域社会の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 再生可能エネルギー発電施設 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項に規定する再生可能エネルギー源のうち太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを電気に変換する設備及びその附属設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。

(2) 再生可能エネルギー発電事業 再生可能エネルギー発電設備の設置及び当該設備による発電を行う事業をいう。

(3) 事業区域 再生可能エネルギー発電事業の用に供する土地の区域をいう。

(4) 事業者 再生可能エネルギー発電事業を行う者をいう。

(5) 周辺関係者 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)及び再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号)に規定する区域に居住している者若しくは、土地又は建物を所有する者及び使用する者をいう。

(6) 土地所有者等 事業区域の土地の所有者、占有者及び管理者をいう。

(町の責務)

第3条 町は、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。

2 町は、事業者、町民等周辺関係者相互の密接な連携の下、地域の活力向上及び持続的な発展を図ることを旨として、再生可能エネルギー発電事業が行われるように努めなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、災害を防止し、生活環境、景観その他自然環境を損なわないよう十分配慮し、並びに周辺関係者と良好な関係を保たなければならない。

2 事業者は再生可能エネルギー発電施設を設置するにあたり、施設が周辺環境に及ぼす影響を考慮し、必要な措置を講ずるものとする。

3 事業者は再生可能エネルギー発電施設を適切に管理しなければならない。

(土地所有者等の責務)

第5条 再生可能エネルギー発電施設の土地所有者等は、設置事業により自然環境又は景観を損わないよう、若しくは災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう、事業区域を適正に管理しなければならない。

(町民等の責務)

第6条 町民及び周辺関係者は、第1条に規定する目的を達成するため、町の施策及びこの条例に定める手続きの実施への協力に努めなければならない。

(抑制区域)

第7条 町長は、災害の防止、良好な自然環境、住環境等の保全のため、再生可能エネルギー発電施設の設置について特に配慮が必要と認められる区域を抑制区域として指定し、事業者に対し、事業区域に含まないよう求めることができる。

2 事業者は、前項の抑制区域を事業区域に含まないよう十分配慮しなければならない。

(区域の指定)

第8条 前条に規定する抑制区域は、次のとおりとする。

(1) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の地すべり防止区域

(2) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の急傾斜地崩壊危険区域

(3) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項の土砂災害警戒区域及び第9条第1項の土砂災害特別警戒区域

(4) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の砂防指定地

(5) 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第6条第1項の農業振興地域の区域内にある農用地等

(6) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条の保安林

(7) 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項の河川区域及び第54条第1項の河川保全区域

(8) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第92条第1項の埋蔵文化財を包蔵する土地及び第109条第1項の史跡名勝天然記念物指定地

(9) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第28条第1項の鳥獣保護区及び第29条第1項の特別保護地区

(10) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第2号の国立公園及び同上第3号の国定公園

(11) 前各号に掲げるもののほか、町長が特に必要と認める区域

2 町長は、必要があると認めるときは、抑制区域を変更することができる。

(適用を受ける事業)

第9条 この条例の規定は、再生可能エネルギー発電設備の出力の合計(以下「発電出力」という。)が10キロワット以上の再生可能エネルギー発電事業に適用する。

2 この条例の規定は、既に設置された再生可能エネルギー発電設備を増設することにより、前項に規定する発電出力以上となる事業においても適用する。

(事前協議)

第10条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業を行おうとするときは、事業に関する計画(以下「事業計画」という。)について町長と協議しなければならない。

2 町長は、前項の規定による協議があったときは、事業者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。

(周辺関係者への説明)

第11条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業を行おうとするときは、当該事業区域の周辺関係者に対し、あらかじめ説明会を開催するなど当該事業計画に関する周知について必要な措置を講じなければならない。

2 前項の周知を行うに当たっては、事業者は、事業計画の内容について周辺関係者の理解が得られるよう努めなければならない。

3 事業者は、周辺関係者から出された質問、意見及び要望に対しては、丁寧かつ誠意を持って対応するものとし、周辺関係者から更に説明を求められた場合は再度説明会を開催するなどの必要な措置を講じるよう努めなければならない。

4 事業者は、第1項又は前項の措置を行ったときは、規則で定めるところにより、その結果を町長に報告しなければならない。

(届出)

第12条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業を行おうとするときは、当該設置工事(森林伐採、土地造成等の準備行為を含む。)に着手する日の90日前までに、前条の当該事業区域の周辺関係者への再生可能エネルギー発電施設の設置に関する周知状況を記録した書類を添えて、事業計画について、規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。

2 事業計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)

(2) 設置工事の着手予定日及び完了予定日

(3) 事業区域の所在地、面積及び事業完了時における土地の形状

(4) 再生可能エネルギー発電施設の設置する位置、構造及び発電出力

(5) 再生可能エネルギー発電施設の保守点検及び維持管理計画(再生可能エネルギーの廃止後において行う措置を含む。)

(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項及び町長が必要と認める事項

3 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事業計画を変更しようとするときは、あらかじめ当該変更後の事業計画を規則で定めるところにより、町長に届け出なければならない。ただし、規則で定める軽微な変更は除く。

4 町長は、届出を受けた事業計画が他の市町村の区域の生活環境・自然環境・景観に影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、関係する市町村長又は行政機関の長に対し、その旨を通知し、意見を求めることができる。

(工事完了の届出)

第13条 前条の規定による届出をした者は、当該届出に係る設置が完了したときは、14日以内に規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。当該工事を中止したときも、同様とする。

2 町長は、前項の規定による完了の届出があったときは、速やかに、届出の内容に適合しているかどうかについて検査し、適合していると認めたときは、規則で定めるところにより、その旨を事業者に通知しなければならない。

(廃止の届出)

第14条 事業者は、再生可能エネルギー発電施設を廃止しようとするときは、廃止しようとする日の30日前までに規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。

2 事業者は、前項で届け出た再生可能エネルギー発電設備を廃止するときは、当該設備の解体、撤去、廃棄その他必要な措置を速やかに講じなければならない。

3 事業者は、事業計画に定めた廃止後において行う措置に基づき再生可能エネルギー発電施設の廃止が完了したときは、その完了の日から起算して30日以内に規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。

(維持管理)

第15条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業を実施する間、災害又は生活環境等の保全上に支障が生じないよう、再生可能エネルギー発電施設及び事業区域内を常時安全かつ良好な状態となるよう維持管理しなければならない。

(事業の承継)

第16条 事業者から相続、売買、合併又は分割によりその地位を承継した者は、承継した日から起算して14日以内に町長にその旨を届け出なければならない。

(報告の徴取)

第17条 町長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入調査等)

第18条 町長は、この条例の施行に関し必要な限度において、その職員に事業者の事務所、事業所又は事業区域に立ち入り、必要な調査をさせ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(指導、助言及び勧告)

第19条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。

2 町長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 事業者が第12条第1項又は第3項の規定による届出を行わず設置工事に着手したとき、又は虚偽の協議等をしたとき。

(2) 事業者が正当な理由なく第12条第4項の規定による届出をする前に設置工事に着手したとき。

(3) 事業者が第12条第13条第1項又は第2項の規定による届出を行わず、又は虚偽の協議等をしたとき。

(4) 事業者が第14条第2項の規定による措置を講じなかったとき。

(5) 事業者が第15条に規定する適正な維持管理を怠り、事業区域外に被害を与えたとき、又は被害を与えるおそれがあるとき。

(6) 事業者が第16条第17条に規定する報告又は資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

(7) 事業者が前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。

(8) 前各号に掲げるもののほか、再生可能エネルギー発電事業が生活環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認められるとき。

(公表)

第20条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく勧告に従わない場合は、当該事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 町長は、前項の規定による公表を行う場合は、あらかじめ事業者に対し、その理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(災害の復旧)

第21条 事業者は、事業に起因して災害が発生したときは、町その他関係機関と速やかに協議し、誠意を持って災害の復旧を行わなければならない。

(国等の特例)

第22条 国又は地方公共団体が行う再生可能エネルギー発電事業は、この条例を適用しない。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に第10条第1項に規定する事前協議を開始する事業者について適用する。

3 この条例の施行の際、現に設置又は設置工事に着手している再生可能エネルギー発電施設の増設若しくは更新することにより当該再生可能エネルギー発電施設が第2条第1号又は第2号に該当することとなるときは、附則第2項の規定にかかわらず、この条例の規定を適用する。

4 第12条各項の規定による届出及びこれらに関し必要な手続きその他の行為は、この条例の施行前においても、同条各項の規定の例により行うことができる。

大空町再生可能エネルギー発電施設の設置に関する条例

令和7年3月12日 条例第7号

(令和7年4月1日施行)