○大空町文化財保護条例
平成22年6月16日
条例第24号
(目的)
第1条 この条例は、大空町(以下「町」という。)内に所在する文化財のうち、国又は道の指定するものを除き、町にとって重要なものについてその保存及び活用のため必要な措置を講じ、大空町民(以下「町民」という。)の郷土に対する認識と愛着を深めるとともに、町民文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書籍、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の町にとって学術上価値の高い歴史資料をいう。
(2) 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いものをいう。
(3) 民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で町民生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
(4) 記念物 貝づか、古墳、戦跡等で町にとって歴史又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、山岳その他の名勝地で町にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いものをいう。
(町民、所有者等の心構え)
第3条 文化財の所有者その他の関係者及び町民は、文化財が貴重な町民的財産であることを自覚し、その保存に努めるとともに、文化的活用に努力しなければならない。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第4条 大空町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(指定)
第5条 教育委員会は、町内に所在する文化財のうち、国又は道が指定したものを除き、町にとって重要と認めるものを町の文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をする場合は、あらかじめ指定をしようとする文化財の所有者及び権限に基づく占有者又は保持者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等の判明しない場合は、この限りでない。
(解除)
第6条 教育委員会は、前条第1項の規定による町指定文化財がその価値を失ったとき、その他特殊の理由があるときは、その指定を解除することができる。
2 町指定文化財が町内に所在しなくなったとき、又は国若しくは道の文化財として指定を受けたときは、前条の指定は解除されたものとする。
(指定又は解除の告示)
第7条 教育委員会は、前2条の規定により文化財を指定し、又は解除をしたときは、速やかにその旨を告示するとともに、所有者等に通知しなければならない。
(管理の義務)
第8条 町指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれらに基づく規則及び教育委員会の指示に従い、その文化財を管理し、適正な保存に努めなければならない。
(所有者等の変更等)
第9条 町指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は速やかにその旨を教育委員会に届出なければならない。
2 町指定文化財の所有者等が氏名、名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届出なければならない。
3 町指定文化財である無形文化財の保持者が死亡し、又は保持者として不適当になったときは、相続人又は保持者は速やかにその旨を教育委員会に届出なければならない。
(滅失、き損等)
第10条 町指定文化財が次の各号のいずれかに該当するときは、所有者等は速やかにその旨を教育委員会に届出なければならない。
(1) その文化財の全部又は一部が滅失、き損若しくは亡失したとき。
(2) その文化財の全部又は場所を変更しようとするとき。
(3) 町指定文化財である記念物の所在、地番、地名又は地積に異動があったとき。
(現状の変更)
第11条 所有者等が町指定文化財の現状を変更しようとするとき、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、修理その他維持の措置をする場合は、この限りでない。
2 教育委員会は、前項の許可の条件として必要な指示を与えることができる。
(修理の届出)
第12条 所有者等は、町指定文化財の修理その他維持の措置をしようとするときは、あらかじめ教育委員会に届出なければならない。ただし、前条第1項の規定により許可を受けた場合は、この限りでない。
2 教育委員会は、必要と認めるときは、前項の修理等について指導助言を与えることができる。
(管理保存の勧告等)
第13条 教育委員会は、町指定文化財の管理保存のため必要と認めるときは、所有者等に対し、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(調査及び報告)
第14条 教育委員会は、必要と認めるときは、所有者等の同意を得て町指定文化財を調査し、又は所有者に対し、管理の現状若しくは修理の状況について報告を求めることができる。
(補助金の交付)
第15条 町が町指定文化財の保存及び記録作成並びに無形文化財の伝承者養成等のため必要と認めるときは、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を受ける者に対し、その使途について必要な条件を付することができる。
(補助金の返還)
第16条 町が補助金を受けた者について、次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(1) 補助金の交付を受けた目的以外の使途に補助金を使用したとき。
(2) 前条第2項の条件に従わないとき。
(3) 補助金を受けた文化財を他に有償で譲渡したとき。
(公開)
第17条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため期間を定めて、その文化財を出品し、又は公開するよう勧告することができる。
2 前項の規定による出品又は公開によりその文化財が滅失、き損したときは、町は所有者等に対し、通常生ずべき損害を補償する。ただし、所有者等の責に帰すべき理由によるときは、この限りでない。
(文化財保護審議会)
第18条 文化財の保存及び活用について教育委員会の諮問に応じるため、大空町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の委員は、10人以内で組織する。
3 委員は、学識経験者の中から教育委員会が委嘱する。
(委員の任期)
第19条 委員の任期は2年とし、委員の欠員が生じた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、委員は再任することができる。
(会長及び副会長)
第20条 審議会に会長1人及び副会長1人を置く。
2 会長及び副会長は委員の互選とする。
3 会長は審議会を代表し、議事その他の会務を総理する。
4 副会長は会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理する。
(招集)
第21条 審議会は、必要に応じて教育委員会が招集する。
(議事)
第22条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。
(審議会の事務)
第23条 審議会の事務は、教育委員会事務局で処理する。
(専門委員)
第24条 審議会は、専門事項を調査研究させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。
(罰則)
第25条 町指定有形文化財を損壊し、棄損し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第26条 町指定史跡、名勝、天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、棄損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
(委任)
第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。